【ボンブの戯言】フリーランスのメリットを全否定してみた

ボンブの戯言7回目です。

ITエンジニアのフリーランスのメリットを語られることは多いですが、デメリットについて語られることは少ないイメージです。そんな多く語れるメリットを現役フリーランスの私が、メリット視点で語ってみます。また、フリーランスのデメリットについても語ります。

なお、私はフリーランスで働いておりますが、正社員至上主義です。日本で正社員ほど勝ち組はいないと思うほど、正社員は恵まれていると考えていますので、少々偏見的な意見もあろうかと思いますがご了承ください。

 

フリーランスってなに?という方は過去の記事をご覧ください。

https://itenginner-matome.net/archives/35373

よく言われるメリットを全否定してみる

巷でよく言われるフリーラスのメリットを全否定してみました。

好きな仕事ができる

「フリーランスになれば自分の好きな仕事を選んでできるよ」というご意見です。

あなたに選べるほど仕事の依頼きますか?ほかのフリーランスと比較して、あなたは引っ張りだこになるほど市場価値が高いのですか?好きじゃない仕事が得意先から来たら断るんですか?そのあと他の依頼がこないかもしれないですよ?

エージェントを使っている場合などは、紹介された案件の中から好きなものだけ選択して働くということもできるかもしれません。しかし、そんな働き方で今後通用しますか?ずっとエージェントに頼っていくつもりなのですか?

自分で営業をして、依頼を獲得していくのであれば、お得意先からの辛い仕事だったり、価格の安い仕事だったり、無理難題にこたえなければいけない場面も多いです。

唯一無二、トップレベルに居続けられるようなレベルのエンジニアであれば、いくらでも選べるかもしれませんが、そんなに甘くはありません。

好きな場所・時間で働ける

「1日3時間労働!ノマドワーカーだ!」というご意見です。

フルリモートや請負など契約形態により、会社員より多少融通がきくかもしれませんが、会社員と比較してそこまで自由かと問われると疑問符が付きます。

特にフリーランスのSESに多く見られる契約形態では、不思議なことに「月の稼働時間」「労働場所」などが指定される常駐型は場所・時間の自由などほぼ皆無でしょう。

また、フルリモートや請負であっても納期があります。納期までに成果物として何かしらを仕上げなければなりません。納期に余裕がある、あなたが他の人より効率的に働け、優秀であれば時間の余裕ができるかもしれません。しかし、そんな楽な仕事ばかりでしょうか?あなたはそんなに優秀ですか?

収入が増える

「フリーランスだと売上が自分のものだから収入が増える!」というご意見です。

確かに、売上すべてがあなたの口座に振り込まれるため、収入が増えた気分になります。会社では、間接費や将来のための内部保留(利益余剰金)も確保する必要があるため、会社員の給与は売上が増えた恩恵は感じにくいものです。

しかし考えてください。フリーランスの売上=収入ではありません。この売上から経費、各種税金など諸々を支払わなくてはなりません。

会社勤めであれば、考えることのなかった「交通費」「出張費」「資格取得費」「新しいことを学ぶ学習費用」「パソコンなどの事務用品」「ソフトウェアなどのライセンス費用」など様々な費用をあなたのキャッシュから支払う必要があります。

税金や社会保険についても、会社員も支払う額は基本的に多くなるでしょう。特に扶養家族のいらっしゃる方は、目玉が飛び出るかもしれません。

https://itenginner-matome.net/archives/35854

収入を考えるのであれば、会社員の手取り額とフリーランスになったとの経費・税金などの差し引いた額を比較するべきです。フリーランスになる=収入が増えるという考えは大きな誤りです。

自分のスキルを活用できる

「自分のスキルを活用して働ける!」というご意見です。

あなたの今のスキル、これからどこまで通用しますか?

捉え方によって変わってきますが、ITエンジニアのスキルも多種多様で刻々と世の中が求められるスキルは変わってきます。IT業界以外でも、「今のスキル」で将来働ける仕事なんてすくなんじゃないでしょうか。

また、スキルを活かしたいだけであれば、スキルを活かせる部署へ異動したり、別の会社へ転職すればいいのです。フリーランスだからスキルを活用できるというは大きな誤解です。

うるさい上司・先輩・後輩がいない

「自分一人だから人間関係に悩まなくて済む!」というご意見です。

取引先などのお客様に煩わしさを感じることはあるかもしれませんが、フリーランスで一人仕事する分には、自分の裁量で判断し進められます。小うるさく文句をいう上司や先輩、自分の時間を割いて教育する後輩もいません。

でも、これってデメリットですか?上司や先輩がうるさく言うのは、あなたの間違い(将来的に失敗するであろう事項)を排除するために、うるさく言っているのかもしれません。業界的なマナーや作法が間違っているのかもしれません。うるさい後輩に時間を割くのも面倒ですが、行く行くあなたの今の業務をこなしたり手伝ったりしてもらうために必要な時間です。

フリーランスになり、その業界や仕事上での誤りを指摘してくれる人という立場の人は、ほぼいなくなります。仲の良いビジネスパートナーさんくらいでしょうか。

あなたの判断ミス=仕事の失敗に直結します。これは、ITの技術的な問題だけでなく、お金など経営的な面、契約など営業的な面、その業界の通例的な対応含めです。

そんな指摘をしてくれるうるさい人がいなくなる。これってメリットですか?

使ったお金は経費にできる

「使ったお金は経費にできるから税金が安くなる!」というご意見です。

使ったお金が経費になるのではありません。事業で収益を得る目的で使用したお金が経費になります。

国税庁では。経費について下記のように説明されています。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm

(1) 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額

売上に直接対応している費用です。商品Aを仕入れて販売する場合、商品Aの仕入れ額が経費になるよという意味です。

(2) その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

売上のために間接的に必要になった費用です。出張費、広告費、通信費やエンジニアであればパソコンの機器やライセンス費用があたります。

このように事業に必要なお金が経費になります。この費用は経費になるだけで、お金はあなたの元から支払っています。これメリットですか?会社員であれば会社が支払ってくれて当然のものばかりです。

また、経費は所得控除になります。税額控除のように、税額から差し引かれるわけではありません。

という話をすると家賃や車やスーツなども経費にできるじゃないか!!というお話もいただきます。「家賃」「車」「スーツ」について見てみます。

家賃

全額経費になるわけではありません。事業で利用している部分の比率を按分します。事業用として賃貸してれば全額も可能ですが、そもそもその賃貸費用を払うのがメリットになりますか会社員であれば家賃手当などもらえますよね。

車も事業と私用で按分します。無条件に全額控除できるわけではありません。会社員であれば営業車ありますよね。自分で支払うメリットありますか?

スーツ

スーツも私用で使えるため按分です。エンジニアとして衣服類を経費計上すると面倒なパターンあがりそうなので私は経費にしていません。

 

また、会社員でも経費のような位置づけの給与所得控除(55万~195万円)の権利を皆さんはすでに使っています。

事業に使ったお金を経費にできるのは、権利ではありますがメリットではありません。

節税できる

「確定申告の青色申告特別控除(65万円)で節税できる!経費で節税できる!」というご意見です。

経費については先ほどご紹介した通りです。また、フリーランスで確定申告を青色申告特別控除を受けることができます。紙申告の場合は55万円、電子申告の場合は65万円です。

青色申告特別控除も所得控除になります。税額から差し引かれるわけではありません。

確かに青色申告を行うことで、税金を減らすことはできますが、こちらも権利です。白色申告か青色申告か?という観点ではメリットと言えますが、フリーランスのメリットではありません。また、青色申告を節税と解釈するのは個人的に疑問に感じています。

副業が可能

「フリーランスなら副業が可能!」というご意見です。

確かに可能です。それもフリーランスの事業として扱うことができます。厚生労働省の副業・兼業の現状と課題の資料でも副業を認めている企業は平成26年度ではまだまだ少ないです。

 

しかし、株式会社パーソル総合研究所の調査では、近年副業を認める企業は増加傾向です。

https://dime.jp/genre/1198635/

副業を認める企業へ転職ではだめですか?終身雇用が厳しくなりつつある昨今、副業を認める企業は徐々に増えていくのではないかと考えています。

フリーランスで副業を行ったとしても、副業に割り当てる経費・時間は増えます。安直にメリットといえるものでしょうか?

 

よく言われるデメリットは本当?

続いては、フリーランスのデメリットについて、本当なのか?嘘なのか?個人の経験測から説明します。

収入が不安定(〇本当)

本当です。

会社員であれば、よほどのことがない限り一方的な解雇というものあはりません。毎月決まった額が給与として支払われます。

フリーランスは、契約した仕事の成果(もしくは時間)により、売上を上げていきます。決まった額というものはありませんので、キャッシュフローも会社員のころと大きくかわります。

また、会社員であれば仕事を失っても雇用保険(失業保険)を受け取ることができますが、フリーランスにはありません。

エージェントを使えば、決まったお金が入るじゃないか!という意見もありますが、契約が続いているからです。契約がなくなれば毎月の売上は0円です。

有給がない(〇本当)

本当です。

会社員でもパートでも、雇われていれば有給休暇が年間最大20日付与されます。休んだとしても、標準報酬月額/30を支払ってもらえます。雇われている方は、休んでも年間数十万円を貰える権利を有しています。

フリーランスはありません。休んだら仕事が進まないだけです。これは大きなデメリットと言えるでしょう。

確定申告が大変(×嘘)

嘘です。

確定申告書の作成が面倒という意見を聞きますが、フリーランスは個人事業主ながらも経営者です。事業を営み、経営状態を把握しなければいけません。そのためにも確定申告で必要となる決算書は1つの判断材料になります。

これデメリットですか?やらなければいけない作業というだけでデメリットではありません。

個人的には、確定申告書を作成する傍ら税務の知識を学んだりとメリットだらけです。また、確定申告ソフトなども簡単なものや、質問できるサービスが充実しており、慣れるとそこまで難しいものではないと感じます。(税法上の知識は別として・・・・)

また、どうしてもわからなければ税務署へ問い合わせれば、確定申告時期などの繁忙期以外であれば優しく教えてくれます。

孤独である(×嘘)

嘘です。

フリーランスになると孤独になると言われます。これは会社員で出社していれば強制的にコミュニケーションの場が提供されるので、そう認識される方が多いと思いますが、フリーランスでもチームを作ったり、ビジネスパートナーと一緒に仕事を進めたりとコミュニケーションの場は広がるケースが多いです。

もし、孤独になるのでばれ自ずからそういった環境に身を置いてしまっているのではないでしょうか。

生活リズムが崩れる(×嘘)

嘘です。

昼夜逆転してしまって、生活リズムが崩れたなどをデメリットにあげるネット記事を見ますが、完全に自業自得です。夏休みに入った小学生ですか?と思うほど、陳腐なお話だと感じてします。

営業・事務もしなければいけない(〇本当)

本当です。

経費に使った経費処理をしなければいけませんし、契約書や売上の管理も行泣ければなりません。仕事を獲得するためには営業を行わなければなりません。

これもデメリットかと言われると一概には言えませんが、新規開拓などする場合は大変な労力が必要と感じています。

情報収集が大変、スキルが伸びない(△半分本当)

半分本当。

スキル云々については、個人によります。私個人としては、会社員をしているころよりチャレンジングな仕事や幅広いカテゴリの仕事をこなすようになり、会社員時代よりスキルは伸びていると感じています。

情報収集については、本当です。会社員であれば、社内情報のナレッジを参照したり、パートナーベンダーへ気軽に質問することができましたが、フリーランスでは難しいことが多いと感じます。

社内情報なんてものはありませんし、ベンダーへ質問するにも多額の費用が必要なパターンが多いからです。

社会的信頼がなくなる(〇本当)

本当です。

個人的にフリーランスの社会的信用は、大学生よりも劣ると感じます。一重に収入が安定しない、所属(企業名など)がハッキリしていないことがあげられるでしょう。

ローンや新しく賃貸をするときに、過去数年分の確定申告書類などから審査される場合が多いと思いますが、ローンが組めない・賃貸契約できないというお話もたまに聞きます。

健康保険・年金額が大きい、保障内容が貧弱(〇本当)

本当です。

会社員であれば、社会保険料(健康保険、厚生年金)は、会社と折半のため半分を支払います。家族がいたとしても扶養内であれば、社会保険料は控除されるため払う必要はありません。

フリーランスは、全額自分で納める必要があり、扶養控除もないため家族が多ければその分支払う国民健康保険、国民年金も増えていきます。

また、傷病手当がない、将来受け取れる年金額が少なくなるなど、ベネフィットも会社員と比較してかなり劣ります。

年を取ると仕事がなくなる(△どうだろう?)

私自身、いい年になったおっさん世代ですが人脈に恵まれていることもあり、フリーランスでも仕事のご依頼がなくなってはりません。

ただ、周りをみているとフリーランスで仕事を続けられず(生活できる収入が維持できない)会社員に戻る方もいらっしゃいます。

さいごに

エンジニアとして会社員として働くことは、社会保険的な意味やスキルアップや学習のチャンス、学ぶための環境整備も含めて圧倒的に有利な立場にいると考えています。

過去の「ITエンジニアがフリーランスになる理由」で書いた通り、それでもフリーランスになるのは、自分の目指す生き方を実現するためです。

https://itenginner-matome.net/archives/35373

他者が勝手に位置づけする目先のメリット・デメリットに惑わされず自分の望む生き方を進むうえで、メリット・デメリットを評価していきましょう。

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 12月 14日 5:24pm

    世間で言われるほどのメリットはないけど、スキルの可搬性の高いエンジニアは解雇されても痛くないから正社員のメリットじゃ割に合わない。まとめると、フリーランスのが得だし、そう思えないくらい引く手がないやつはただの無能。

    • もやし
    • 2022年 2月 11日 8:01pm

    この記事好き

    • 匿名
    • 2022年 2月 12日 8:06am

    会社員だっていつ変な客の担当になったり、変な上司の下につくかわからんのよ。
    いつでも同条件くらいで転職できる暗いにはしておかないといかんよ。

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