【ボンブの戯言】フリーランスが払う税金など6選!私たちはこんなに支払っている!

ボンブの戯言6回目です。

フリーランスになって一番困惑した税金関連です。サラリーマンのときは税金関連は給与から天引きです、源泉徴収・年末調整も会社がやってくれるので、金額もサラーっと見る程度でした。フリーランスでは、確定申告を行い算出された税額を自分の懐から支払う必要があります。

実際に払うとなると、金額の大きさにびっくりします。いつも支払通知書をみつつゲンナリしていますが、確定申告の時期も近づいているため体系的にまとめてみることにしました。

注意事項

自分用にまとめた情報です。私自身は税務の専門家ではありませんし、特段教育も受けておりません。自分の体験とインターネット上の情報から述べているものばかりのため誤った記載がある可能性が高いです。確実な情報が欲しい方は、税務署へ問い合わせるか税理士さんへ相談しましょう。

また、税制は年々改正されています。本記事は2021年に記載していますが、常に新しい情報をキャッチアップしていきましょう。

 

対象者

以前にフリーランスについて記載しましたが、幅が非常に広いです。

https://itenginner-matome.net/archives/35373

税金などの計算は、自身の事業のポジションや家族構成によっても変わってきます。今回は下記のようなポジションのフリーランスを前提で記載しています。

  • 個人事業主である(法人ではない)
  • 副業ではない(会社員などと兼業していない)
  • 確定申告は青色申告を行っている
  • 青色事業専従者はいない
  • 事業主(あなたは)独身者もしくは、配偶者が専業主婦・主夫である

また、税金の計算などは、上記の方であれば同じですが、ITエンジニアの個人事業主を観点に記載しています。

本記事では、フリーランス=ITエンジニアの個人事業主のとしていますのでお気を付けください。

税金など6種類

フリーランスの方が支払うであろう、国税である「所得税」、地方税である「住民税」「個人事業税」、国税・地方税の「消費税」、また税金ではないものの金額大きくなる「国民年金」「国民健康保険」の計6種類のお金について述べていきます。

上記以外にも、自動車税や固定資産税もありますが、ここでは説明しません。

納付スケジュール

1年間の納付スケジュールの例です。ものによって納期限が多少前後したりしますのでご注意ください。また、実際は上記以外の支払方法もありますが、簡略化しています。

年中何かしらの支払いをしながら私たちフリーランスは過ごしています。特に4月~6月については、所得税、住民税、国民年金、国民健康保険が押し寄せてくるため、支払額が大きくなるため、キャッシュフローには気を付ける必要があります。

所得税

所得税とは?

所得税は、個人にかかる税金です。

1年間に生じた所得(売上から経費や控除を差し引いた課税所得)に対して税率をかけたものを算出します。

所得税は、申告課税に分類され、自らが申告した額面により計算が行われます。この申告にあたるのが、確定申告になります。

所得税の算出方法

算出方法は慣れないと、少々理解しにくいですが、上図のようになります。事業収入(売上)から、経費や控除を差し差し引いた課税所得(課税標準額ともいう)を元に計算します。

青色申告すると55万(紙の申告)、65万(電子申告)が控除されるので、白色よりお得というのは、課税所得額を減らせるためなんですね。

また、事象所得に関しては、賦課(ふか)課税になる「住民税」「個人事業税」「国民健康保険」にも使用されるため、覚えておきましょう。

計算式では表せない細かな部分についても見ていきます。

所得控除

所得控除とは、事業所得から差し引き税負担を調整する金額になります。色々とありますが、基礎控除、配偶者控除、生命保険控除、医療費控除、ふるさと納税などは有名ではないでしょうか。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/shoto320.htm

この控除額も項目によって異なってきますが、確定申告の際に控除することで、所得税を低く抑えることができます。

所得税率と控除額

課税所得から、所得税額を計算するときの税率になります。税率は課税所得額によって変わってきます。また、課税所得に税率を乗算した金額から控除額を減算することで、課税所得額の上下のレンジ(3,300,000円と6,949,000円)の人たちで所得税額の差を吸収しています。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

復興特別所得税

復興所得税は、平成23年の東日本大震災の復興のための財源確保のために平成25年から徴収されるようになりました。所得税額に2.1%を乗算した金額になります。

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/fukko_tokubetsu/index.htm

納税額

こうして計算した。「所得税額」と「復興特別所得税額」を加算したものが、実際に支払う納税額になります。

住民税

住民税とは?

住民税は、個人にかかる税金です。

所得税の申告課税ではなく、申告している所得額から自治体(市町村など)によって、自動的に計算される賦課課税の分類になります。

住民税の実態は「都道府県民税」と「市区町村税」を加算したものです。

住民税が10%として考えるのは、「都道府県民税(6%)」「市区町村税(4%)」となっているためです。

もう少し詳細に説明すると、平成30年から政令指定都市は、上記から「都道府県民税(8%)」「市区町村税(2%)」と変更されていますが合計の10%は変わっていません。

住民税の算出方法

算出方法は、上図の通りです。

先ほど、住民税の10%とお伝えしましたが、「都道府県民税」と「市区町村税」には税率意外にも均等割という金額を加算する必要があります。

住民税の所得控除

課税所得の算出方法は、所得税と同じですが控除の金額が異なります。住民税では人的控除部分が所得税より低く、物的控除が所得税より高く設定されています。

練馬区が公開している表がわかりやすかったので記載しておきます。

https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/zei/jyuminzei/jumin_shotoku.html

住む場所で住民税が異なる理由

住民税の話で住むところによって異なるという話がありますが、理由は下記の2点です。

  • 均等割が、都道府県・市区町村により多少上乗せされている場合がある。
  • 「都道府県民税」「市区町村税」の税率が0.0数%異なる場合がある。

いずれも都市の規模や財政状況による調整により行われていますが、年間数百円~数千円程度の違いのためほぼ一律と考えていいでしょう。

個人事業税

個人事業税とは?

個人事業税は、個人にかかる税金です。個人事業主が事象を行う際に行政サービスを利用しているため一部を負担するために設けられています。確定申告申告とすると、個人事業税も自動的に申告したとみなされるため賦課課税の分類になります。

個人事業税の対象となるのは、法律で定められた70種類で区分により税率が異なります。ITエンジニアのフリーランスの場合、明記はされていませんがデザイン業やコンサルタント業になり「第3種事業の5%」の税率になります。

https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ji.html

また、ITエンジニアのフリーランスでも個人事業税が課せられるのは、成果物を要求される請負契約を行っている場合です。SESなどの常駐型で時間単位などの準委任契約している場合は、個人事業税の対象外となる可能性が高いです。

気を付けないといけないのは、対象外になるかの判断は、「確定申告の内容」や「個人事業税にかかわる調査票」などから、自治体により判断されます。自分自身で申告できるものではないという点に注意しましょう。

自治体により判断が異なる場合がありますが、過去に問い合わせたところ、請負・準委任の両方を行っている場合は、売上額の比率などから按分することも可能なようです。

個人事業税に係る業種に関しては、UbarEatやYotuberなどの働き方の多様化に関して見直しするべきとの意見が2021年にあがっています。おそらく働き方の多様化から、より多くの事業を課税対象に拡大する可能性が高いと考えています。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76912920S1A021C2L83000/

個人事業税の算出方法

算出方法は、非常に簡単です。事業所得から事業主控除(290万円)と繰越控除(赤字など)を減算した額に個人事業税を乗算することで求められます。

算出方法からもわかる通り、事業所得が事業主控除(290万円)以下であれば、個人事業税は発生しません。

青色事業専従者がいる方は、算出方法が異なるようなので別途お調べください。

消費税

消費税とは?

消費税は、個人にかかる税金です。ものを売り買いするときに発生する消費税(10%)と同じものです。

フリーランスが請求するときには、基本的に実際の作業費などに消費税10%を加えた金額を請求していると思います。これは、フリーランスの利益でなく、お客様から消費税を預かっているため、その分を国(正確には国と地方)に戻しましょうという税金です。

前々年(2年前)の課税売上(事業収入などの売上)が1000万円を超えている場合に支払う必要があります。これを課税事業者といいます。1000万円以下の場合は、免税事象者の扱いとなり消費税を支払う必要はありません。

2023年からインボイス制度が始まる予定のため、免税事象者でも消費税を支払う可能性があります。(これは各自の自己判断で申請する必要があります。)その場合は、適格請求書発行事業者という扱い変わります。

消費税の算出方法

消費税の算出方法には、「一般課税」「簡易課税」の2つのパターンどちらかになります。計算式の考え方としては、「お客様から預かった消費税」から「すでに支払った消費税(仕入れ、外注などの経費で払った)」を減算することで求められます。

一般課税の場合

本則課税や原則課税とも呼ばれます。実際に預かった消費税額とすでに支払っている消費税額を厳密に計算して、消費税額を算出する方式です。

簡易課税の場合

簡易課税は、「すでに支払った消費税額」の算出に、厳密な計算を行わず「みなし仕入れ率」を用いることにより算出する方式です。

みなし仕入れ率は、事業区分によって定められており、ITエンジニアのフリーランスの場合、「第5種事業のサービス業」に分類されるためみなし仕入れ率は「50%」になります。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6505.htm

簡易課税を行うためには、「課税売上高が5000万円以下」であり「簡易課税制度の選択届出書」を税務署に提出する必要があるあります。また、簡易課税にすると2年経過するまで一般課税への変更はできません。

また、ITエンジニアフリーランスの場合は、簡易課税のほうが消費税額を安くできる傾向になりますが、設備投資などで大きな金額を使う場合は、一般課税より損をする可能性があります。

国民年金

国民年金とは?

会社員のときは厚生年金でしたが、フリーランスでは国民年金になります。国民年金法によって規定されている公的年金のために、20歳以上60歳未満の方が支払うお金です。税金ではありませんが、フリーランスを行う上で外せない要素になります。個人に対してかかります。

国民年金の算出方法

2021年度は、月額16610円なので12か月を乗算して、年間約20万円になります。

計算方式は簡単ですが、フリーランスになるうえで必要な知識があります。会社員の厚生年金の場合、配偶者などが扶養範囲であれば、扶養者の年金の支払いは免除されていました。

フリーランスの場合、扶養の考え方がなくなるため、配偶者の年金の支払いも必要になります。また、20歳以上の学生が扶養になってれいばその年金の支払いも必要になります。

扶養者の人数分×約20万円が加算されるため、会社員の感覚のキャッシュフローで考えていると破綻してしまう可能性があるため注意しましょう。年金は毎年数百円ずつ上がっています。今後数千円などで上がる可能性もあるので気をつけなければなりません。

また、国民年金は厚生年金より受け取れる額が少ないです。フリーランスの場合は、支払っている国民年金以外にも、積み立てて将来のお金を確保する必要があります。

国民健康保険

国民健康保険とは?

会社員のときは社会保険(健康保険)でしたが、フリーランスでは国民健康保険になります。国民健康法等により強制保険です。税金ではありませんが、こちらもフリーランスを行う上で外せない要素です。国民健康保険は、世帯に対してかかります。これまでと大きく違うのは、世帯に対してかかるため、支払所は世帯主に対して届き、世帯人数分の保険料を支払う必要があります。

また、税金ではありませんが、確定申告を行うことにより賦課額として自治体で自動的に計算されます。

国民健康保険の算出方法

国民健康保険の算出は非常に面倒です。国民健康保険は、「医療保険料」「後期高齢支援保険料」「介護保険料」を合算したものを言い、それぞれに「所得割」「均等割」「平等割」の区分が設けられています。また「所得割」「均等割」「平等割」の率や金額は、各自治体により決められているため、住んでいる場所によって年間額が大きく異なります。

所得割は、個人(国保加入者)に対して前年中の所得金額に応じて、自治体に定めた率を乗算して算出する保険料です。国保加入者で所得がある人全員の算出が必要です。

均等割は、個人(国保加入者)に対して自治体の定めた定額の金額です。世帯の国保加入者分を乗算して算出します。

平等割は、1世帯に対して自治体の定めた定額の金額です。平等割は、採用されていない自治体が多いように思われます。

まとめると下記のようになります。

所得割均等割平等割小計
医療保険料所得から算出自治体規定自治体規定所得割+均等割+平等割
後期高齢者支援保険料 所得から算出自治体規定自治体規定所得割+均等割+平等割
介護保険料 所得から算出自治体規定自治体規定所得割+均等割+平等割
国民健康保険料上記の合計

こちらも国民年金同様に注意が必要です。社会保険では扶養家族は免除されますが、国民健康保険は扶養の免除制度がありません。また、均等割と平等割は、自治体の決定した定額を支払う必要があるため、所得がないような子どもでも、世帯に国保加入が増えれば増えるほど加算されていきます。

2021年は上限99万になっていますが、この上限も今後上がっていく予定になっています。家族がいるフリーランスをしていて一番つらいのが、この国民健康保険です。

また、国民健康保険には「傷病手当」がありません。傷病手当に代わる民間保険を使うか、自分で積み立てる必要があるため、キャッシュフローに注意する必要があります。

文芸美術国民健康保険組合

実際に計算するとわかりますが、国保はすごく高いです。家族がしれば目玉飛び出しそうになります。そんなフリーランスでも文芸美術国民健康保険組合という保険に入れます。国保よりは幾分費用を抑えることができます。

ただ、名前からもわかる通り、「デザイン」「執筆」など文芸に関する事業を行っている必要があるため、ITエンジニアのフリーランスでも加入できる方は限られると思います。

私は、収入の大部分は開発などの方面のため、加入しておりません。

 

さいごに

実際のところ、フリーランスでも確定申告さえちゃんと出来ていれば、税務所や自治体がうまいこと計算して、支払書類を送付してくれるため困ることはありません。

しかし、自分が払っている税金などが、どのような仕組みで算出されているか把握することにより、節税の方法なども思いつきますし、税額が正しいか把握できます。

また、法人化した場合は、税金の種類も算出方法も大きく変わってきます。売上が〇〇円を超えたら法人化したほうが良いなどの話もよく聞きますが、事業所得や社会保険料を加味すると、売上金額だけで判断できるものではありません。

その判断を適切に行うためにも、税制上どのような違いがあるのか理解するためにも、このような算出方法を知っておくことは必要です。

私が、こういった税制の勉強を始めたのはフリーランスになるときに所得税を皮切りにコツコツしていますが今でもわからないことだけです。インボイス制度なども始まるため、フリーランスの方、目指される方も含め、本記事が1つのきっかけになれば幸いです。

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