ボンブの戯言5回目です。
先日、「【ボンブの戯言】サーバーって何なの(オンプレに限る)」を書きました。
https://itenginner-matome.net/archives/35588
今回の記事を先に書こうと思っていたのですが、そもそもサーバーが何かわからないとダメだなと思い上記の戯言を書いています。サーバーが何かわかっている方も、本記事の内容をさらに理解できると思いますので、ご一読いただけると幸いです。
今回の記事を書こうと思った理由は、私がサーバーを学びたくて中古サーバーを購入するときに、中古サーバーの買い方や指針について紹介しているようなサイトがなく試行錯誤したからです。自作PCに慣れた方であっても、中古サーバーは別の視点での注意が必要になるため、ややハードルが高いです。
そんな中古サーバーの買い方について、最低限ここは注意して!というところをまとめました。
今回対象の中古サーバー
今回、中古サーバーとして考えるのは、ラックマウント型サーバーの1Uもしくは2UのいIAサーバーです。タワー型や大型のサーバーは対象としていません。
U(ユニット)は、サーバー筐体の高さを表し、1Uは1.75インチ(44.45mm)を表しています。
下記は、最新型の機種を掲載していますが、左画像は1U、右画像は2Uになります。
なぜ中古サーバーを買うのか
中古サーバーとは
中古サーバーは、使われた後のサーバーです。中古車と同じですね。
サーバーは、主に法人企業などが購入して利用しますが、ベンダー保守の兼ね合いなどもあり、5年~7年ほどで使い終わり新しいサーバーへ入れ替えます。
使い終わったサーバーは、ベンダーが引き取るのではなく利用者が不要と判断したタイミングで、情報機器などを扱っている買取業者や廃棄業者を利用して、データ消去などの工程を経て廃棄します。
その時に、ゴミとして廃棄される場合と、中古市場で流れる場合があります。
この中古市場に流れているものが、私達が購入できる中古サーバーとなります。
中古サーバーを買う理由
パソコンも安い時代になぜわざわざ中古のサーバーを買う理由です。
前回の戯言でも述べた通り、サーバー向けのパーツというのは普通のパソコンとは異なります。
https://itenginner-matome.net/archives/35588
サーバーが関連するITエンジニアの場合、検証で利用したいという理由が一番ではないでしょうか。私もこの理由で中古サーバーをよく購入しています。本番に近しい環境で検証を行いたいが、社内の検証環境は好き勝手いじれないなどの理由です。
また、最近は少ないかもしれませんが、社内での開発環境などに新品のサーバーを購入する予算がなく、中古サーバーで賄う零細、中小企業さんもたまにいらっしゃいます。
中古サーバーの価格帯
ピンキリではありますが、すべてのパーツがそろって動くもので三万円前後~十数万円といったところです。中古なので世代は古くなりますが、中古のノートパソコンを購入する程度の価格で、そのあたりのパソコンよりも高スペックな環境が手に入ると安いものです。
たまに、百万円近いものがあります。これは、現行機種(保守期間が終わっていない)であったり、新古品であったり、市場に出回らない希少種によく見られます。
中古は嫌だなぁ
サーバーの検証に中古機器使うの嫌だなぁという方もいらっしゃるかと思います。そこで近年注目を集めているのが、数万円程度で購入できるIntel NUCです。
vSphere ESXiなどハードウェアのインストール要件が厳しいOSなどは、サーバー機器を買うしかありませんでしたが、Intel NUCにインストールする手法が確立されたから流行ってきたように感じます。
実際、有名ベンダーのエンジニアたちも、Intel NUCを利用して検証した記事などを掲載されている例をよく見ます。
デメリットとしては、Intel NUCを使う上で色々小手先のテクニックが必要であったり、ラックマウント型サーバー自体の学習などの代替にはならない点です。
購入目的を明確にして、中古サーバーを利用するのかIntel NUCのようなものを利用するのか判断しましょう。
中古サーバーを入手する方法
そんな中古サーバーの入手方法(購入方法)ですが、国内であればヤフオク!が一番おすすめです。
本記事もヤフオク!を使ってお話ししていきますが、他にも入手する方法があるので合わせてご紹介します。
ヤフオク!(本記事で紹介します)
本記事の紹介に利用するヤフオク!です。
企業用のサーバーやネットワーク機器などの中古も出品されています。国内で入手しようと思ったら、品ぞろえと価格面からヤフオク!をおススメします。
メルカリ・楽天中古市場
有名どころでメルカリと楽天中古市場です。
メルカリも情報機器を出品されている方がいます。出品数が少なく、デスクトップ型のような小型のサーバーは多少あるものの、ラックマウント型のような大型機器は極端に少ないです。また、価格もヤフオク!とさほど変わらないため使ったことはありません。
楽天は出品数は多いもののヤフオク!と比較すると高価格帯な気がするため使ってことはありません。
中古専門店
Googleで「中古 サーバー」などでググると出てくる情報機器専門の通販サイトがかなりの数ヒットします。有名どころとしては、「コンピューターおっと」などがあります。
こういった専門店は、品揃えが多いですが価格がかなり高めに設定されています。私はヤフオク!で探してどうしても入手困難な場合に利用しています。
また、このような中古専門店は、Webサイトの商品が更新されてなかったり、中古価格とは思えないレベルの価格設定をしている悪質店もよく目にします。
利用する場合は、妥当性を判断して利用しましょう。
秋葉原店舗
秋葉原には中古サーバーを扱っている店舗があります。先ほど紹介した「コンピューターおっと」も実店舗があります。
秋葉原の裏通りなどに点在しています。見ていて楽しいのですが、サーバー機器のような大型なものは店舗に置いていなかったり、あってもネットショップで購入したほうが割安となる、持って帰るのが大変などでサーバーを店舗購入したことはりません。
海外サイト
以前、仕事の関連で国内でどうしても購入できない機材があり海外サイトを漁ったことがありました。友人の助けにより購入には至らなかったのですが、「server used」などで検索すると割と多くのショップがあり日本への配送が可能なものもありました。
価格は日本と比較しても安いというわけではなく(ドル換算なのでむしろ高い)、英語でのやり取りやトラブル時の対応、税金も考えるとよほど困窮しない限りは使わないかと思いました。
古物市場
古市市場は、古物商許可証を持っている人が参加できる市場になります。中古ショップのバイヤーなどが買い付けを行うところですね。
こういった市場で、情報機器を専門に扱ったり、情報機器を一部扱う市場が多数存在します。私も友人のつてで何回が参加したことがあります。
デメリットとしては、古物商許可証の取得(約2万円)や市場への参加(数万円~数十万円)の費用がかかることです。一般の市場へ出回る前なので、安価に購入はできる可能性は高いですが、積極的な選択肢には入らないでしょう。
中古で買うときのおすすめベンダー
ヤフオク!に焦点を当てて、サーバー機器を購入する際のおすすめベンダー表を作ったのでご紹介しておきます。
あくまで個人的な見解です。
また、表示しているおすすめ度は、ヤフオク!の中古市場を反映したものであり、新規導入の事例・ベンダー批判を表しているわけではありません。
業務上の判断基準にしないようご注意ください。
また、2021年時点の見解です。数年後には状況が変わっている可能性が大いにあります。
個人的ランキング
ベンダー | ブランド名 | おすすめ度 |
HEP(旧HP) | ProLiant(プロライアント) | ★★★★★ |
富士通 | PRIMERGY(プライマジー) | ★★★★★ |
Dell Technologies | PowerEdge(パワーエッジ) | ★★★★★ |
Cisco | UCS(ユーシーエス) | ★★☆☆☆ |
Lenovo(旧IBM) | ThinkSystem(シンクシステム) | ★☆☆☆☆ |
NEC | Express5800(エクスプレス5800) | ★☆☆☆☆ |
日立 | HA8000(エイチイー8000) | ★☆☆☆☆ |
Oracle | Oracle Server(オラクルサーバー) | ★☆☆☆☆ |
Huawei | 現在なし | ☆☆☆☆☆ |
各ベンダーのおすすめ度を記載しました。私が国内でよく聞くベンダー名を連ねているため、他のベンダーは割愛しておりますので、ご了承ください。ブランド名は、ベンダーが販売するIAサーバーの機種名につく名前です。詳しくは後述しますが、シャネルやグッチなどのブランド名とお考え下さい。
下記にヤフオク!で購入する際のおすすめ度の理由について記載します。
HPE(おすすめ度:★★★★★)
世界サーバー市場シェアNo2のベンダーになります。国内でもよく使用され、これといった癖の強い仕様もないため使い勝手が良いです。ヤフオク!でもサーバーやパーツ単位での品揃えもよいため入手性が高く、価格もお手頃です。
一番最初に記載しているのは、個人的に一番好きなためです。
富士通(おすすめ度:★★★★★)
国内サーバー市場シェアNo1のベンダーになります。国内でもよく使用され特に官公庁向けによく採用されているイメージが強いです。こちらもヤフオク!で品揃えがよく入手性、価格ともに◎です。
また、国内ベンダーだけありマニュアル類が読みやすく、記載内容についてもかなり丁寧に書いてくれています。
Dell Technologies(おすすめ度:★★★★★)
世界サーバー市場シェアNo1のベンダーになります。国内でもよく使用されます。業務では圧倒的な価格の安さから採用率が高いイメージです。安いといっても製品面で問題があるわけではなく、企業努力のたまものでしょう。ヤフオク!でも品揃え、価格ともに◎です。
古い機種は、GUI面で少々使いにくいという個人の印象と、先日トラブルではめられたので★×4つにしようと思いましたが、思いとどまりました。
Cisco(おすすめ度:★★☆☆☆)
世界ネットワークシェアNo1のベンダーです。ネットワーク機器のイメージが強いですが、Cisco UCSというブランドでサーバーも販売しています。
Cisco UCSは、同じくCiscoの販売するファブリックインターコネクト(FI)と言われるネットワーク機器とも言いにくいCisco独自の製品との連携をコンセプトにした製品です。
https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/servers-unified-computing/fabric-interconnects.html#~benefits
普通のラックマウントサーバーとしても利用できるのですが、パーツなどにFI向けのものがあったり、マニュアルがFIありきであったりなど、癖が強いため扱いが難しいです。
また、ヤフオク!でも出品数はソコソコあるものの数が少ないため、★×2にしました。
Lenovo※旧IBM(おすすめ度:★☆☆☆☆)
ノートパソコンなどで有名なLenovoもThinkSystemというサーバーを販売しています。旧IBMと書いているのは、IBMサーバーSysmte XをLenovoに事業売却しているためです。
https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/interview/676641.html
以前のIBMサーバーであればおススメ度No1だったのですが、事業売却後は世界的にシェアが落ちたためと、売却時期が2014年ということもあり、中古市場でThinkSystemを見ることがあまりありません。
また、System Xは今でも中古市場で見ますが、すでに事業売却されたこともあり、これから購入するメリットは薄いと感じているため、★×1です。
NEC・日立(おすすめ度:★☆☆☆☆)
国内シェアで高い位置を占めるNECと日立です。
どちらもラックマウントサーバーは、HPE ProLiantからのOEMであるためわざわざ購入する必要がないかと感じてします。マニュアル類もHPEからの転記が多くさほどメーカー独自の利便さを感じませんでした。
また、ヤフオク!でもそんなに見ないため、★×1です。
Oracle(おすすめ度:★☆☆☆☆)
データベース界の巨頭、Oracleもサーバーを販売しています。
こちらは通常のサーバーと異なり、Oracle Databaseに最適化されたサーバーです。データベースエンジニアは触る価値あり!とは思いますが用途が限定されすぎている点と、中古市場でほぼ目にしたことがないため★×1です。
Huawei(おすすめ度:☆☆☆☆☆)
Huaweiもサーバーを作っていますが、下記のような問題がありました。
https://itenginner-matome.net/archives/14569
その後、2021年にライセンスの取り消しなどでIntelからのCPU供給がなくなったようです。
https://jp.reuters.com/article/huawei-tech-china-idJPKBN29M0RF
一時期、国内でもHuaweiサーバーがシェアを圧巻するのではないという噂が一部であり、私も勉強しようかなと思っていた矢先に上記の問題がありお蔵入りになりました。
現在は、Huawei独自CPUを載せて販売しているそうです。
旧型は中古市場でたまに見かけますが、今後使うことはなさそうなので★×0です。
買う前の事前知識
サーバーシリーズ名の見方
サーバーには大きな分類の名前としてブランド名があることを冒頭で説明しましたが、もう少し細かく分かれているので見てみましょう。
サーバーだけではありませんが、情報機器はシリーズ名として一定の規則で命名されている場合が多いです。ここではHPEサーバーを例に見てみます。
HPEのサーバーでは、下記のような規則でシリーズ名が決まってきます。
項目 | 意味 |
メーカー | ベンダーです。HPEになります。 |
ブランド名 | そのサーバーの大枠の種類分けをする名前です。 |
ライン | ブランドの中で形を示します。
DL:ラックマウント型、ML:デスクトップ型、BL:ブレード型など。 |
シリーズ | ラインの中でのランク(レンジ)を表します。
基本的に数が大きくなるほど高スペックな性能が出せる(高性能なパーツ構成が行える)機器になります。 |
世代 | ブランドの第何世代のシリーズ化を示します。
CPU世代の変更などに合わせて上がっていきます。 |
もう少し具体的に見ていきましょう。2021年現在の最新世代のHPE ProLiant DL360 Gen10サーバー シリーズを見てみます。
この場合のシリーズ名の並びとしては下記のようになっています。
過去の世代を見ると下記のようになっています。
発売時期 | シリーズ名 |
2017年ごろ | HPE ProLiant DL360 Gen10 |
2014年ごろ | HPE ProLiant DL360 Gen9 |
2012年ごろ | HP ProLiant DL360p Gen8 |
たまに規則にないアルファベットや単語が入りますが、大まかには一定の規則でGen(世代)のみ上がっているのがわかります。他ベンダーも規則はことなりますが、ベンダー独自の規則で命名されています。
Gen8のメーカー名がHPになっているのは、2015年にHewlett Packard(HP)から企業向け事業をHewlett Packard Enterprise(HPE)として分社化したためです。
https://news.mynavi.jp/article/20151104-a277/
決めておくこと
続いて、中古サーバーを買うときに事前に確認しておいた方が良いことを紹介しておきます。この辺りは、新規サーバーを購入するときも大体確認するのですが、中古サーバーも同じです。
OS
どのようなOSで利用する想定なのかまとめておきましょう。Windows、Linuxだけでなく、Windows Server2019やRHEL8.0などバージョン情報も具体的に決めておきます。。
古いサーバーは、新しいOSに対応できていないことがあるので、事前に確認しておくことで購入してから使えない!というようなことを避けることができます。
Linux系は力業で回避できるパターンが多いのですが、WindowsやvSphereなどのOSでドライバがない場合は諦めるしかなくなります。
CPU
CPUがどれくらいの周波数の何コアが必要なのかある程度決めておきましょう。オーバースペック過ぎるとその分価格が高くなってしまいます。
メモリ
必要なメモリ容量を決めておきましょう。
サーバーは基本的に、レジスタ付き DIMM (RDIMM)、Load Reduced DIMM (LRDIMM)のみのサポートです。デスクトップPCで使われるUnbuffered DIMM (UDIMM)は使えません。
RDIMMやLRDIMMを別途購入して、追加することもできますが、UDIMMよりも高いです。中古機器では別途購入するより、すでに搭載されている状態で購入する方が別途購入するより安くなる傾向があります。
HDDとRAID
必要なRAIDレベルと容量を決めておきましょう。
サーバーに標準で搭載されているRAIDカードは、RAID0もしくは1までのサポートで、RAID5などを使用する場合は、上位のRAIDカードやライセンスが付いている中古サーバーを探す必要があります。
私は、検証レベルではRAIDにこだわらないタイプなので、ディスク1本のJBODで利用することも多いです。RAIDが必須の方は入念な下調べが必要です。
また、HDDの別途購入も高くつく場合が多いので、余分と思うくらい搭載されているものを購入するようにしましょう。ラックマウント型にHDDをつける場合は、下記のようなマウン多が必要になりますが地味に高いです。
ネットワーク
何Gbpsのポートがいくつ必要か決めておきましょう。
別途購入して拡張することもできますが、搭載済みを購入する方が楽です。
リモート管理
基本的にどのサーバーもリモート管理を提供するポートが付いています。
サーバーの画面を操作するためのリモートコンソール機能が必要か決めておきましょう。
電源操作などは標準機能で利用できますが、リモートコンソールは、ライセンスが必要になるパターンが多いためです。
HPEのリモート管理iLOでリモートコンソールの利用にはAdvancedかEssentialsライセンスが必要です。
https://h50146.www5.hpe.com/lib/products/servers/proliant/manuals/p00309-194_ja.pdf
DELLのリモート管理iDRACでリモートコンソールの利用には、BasicやExpressライセンスが必要です。
https://japancatalog.dell.com/c/isg20190702/
Ciscoのリモート管理CIMCの場合は、ライセンス不要です。
https://www.infraexpert.com/study/ise-set03.html
こういったライセンスは、中古機器の商品ページに記載されることが少なく、偶然入っていたらラッキーくらいに考えおきましょう。必須の場合は、購入費用も数万円以上と高いため、Cisco UCSのような標準機能として搭載されているものを購入候補にしましょう。
その他
検証でFCポートなどを使う場合は搭載パーツを確認しておきましょう。
注意点
ヤフオク!で中古サーバーを探すとき、落札する際の注意点になります。
欠品パーツ
中古サーバーを探していると突出して安いものがあります。一部のパーツやほぼすべてのパーツを抜き取って、そのままでは稼働できない機器の場合が多いです。
自分で増設をできる方には掘り出しものですが、初級としてはハードルが高いので気を付けるようにしましょう。
通電確認の有無
ヤフオク!では機器の状態を記載してくれてる方が結構いらっしゃいます。「OSインストールできました」「通電できました」「動かないです」などです。初学者の方は、通電確認できているものを買いましょう。
通電すらできない状態では、トラブルシューティングをしてパーツを都度交換する必要がありますし、自力で解決できない場合、鉄の塊のゴミになります。
電源ケーブル
皆さんご自宅で使う電源は100Vが多いと思います。サーバーも100Vで基本的に動作しますが、ケーブル形状に注意が必要です。
NEMA 5-15Pと言われる規格のケーブルが必要になります。中古で購入した場合、ケーブルが同梱されていない場合があります。下記のように付属品なし場合、電源ケーブルがありません。
秋葉原などでは1本数百円程度で買えますが、ネットで買うと1000円~数千円ほどと意外と高いです。お持ちでない方は、付属品に「電源ケーブル」「ACケーブル」などの記載があるものを選びましょう。
パーツ交換の有無
稀に「xxxのパーツが壊れていたため、代替パーツに交換して通電確認しました」というものがあります。
サーバーはHPEのサーバーにはHPEのパーツが、富士通のサーバーには富士通のパーツが組み込まれています。
出品者側で交換したパーツがベンダー純正であればよいのですが、異なる場合予期せぬトラブルを引き起こす可能性が高いため、購入を避けるようにしましょう。
同一構成は入手しにくい場合がある
同一のシリーズでCPU、メモリ、その他オプションパーツに至るまで全く同じ構成のサーバーを複数台購入するのが難しい場合があります。
2台程度であれば比較的入手しやすいですが、3台以上となると纏め売りなどに運よく出会わないと難しいため、すぐには入手できないかもしれない認識をもっておきましょう。
パーツ故障時の対応
CPUやメモリ、RAIDカードなどのパーツが故障した場合、どのように対応したいのか考えておきましょう。ヤフオク!ではパーツ単位での販売もありますが、ベンダーやシリーズにより入手しやすいものとしにくいものがあります。自分で修理して使う場合は、パーツの入手性を考慮しておきましょう。
私は基本的に消耗品と考えて、壊れたらサーバー単位で買い替えを行うようにしています。
基本はノークレーム・ノーリターン
ヤフオク!の文化でもありますが基本的にノークレーム・ノーリターンです。運送中に壊れてしまって動かない場合なども潔く諦める気持ちを持っておきましょう。
どうしても、動く機械が欲しい場合、価格は高くなりますが、先にご紹介していた専門店のネットショップなどから購入しましょう。
送料はそんなに高くない
上記は出品者の一例です。サーバーの運搬は高そうに感じますが数千円程度です。中古のため高額運送保証などもないですし梱包も段ボールとクッションで巻いた簡易梱包のためでしょう。
もちろん、新品のサーバーの場合は、運送費も高いです。
置き場所を考えておく
ラックマウントサーバーは意外と大きいです。ProLiant DL360の1Uサーバの場合で、高さ約44mm×幅約440mm×奥行き約700mmのサイズです。
特にラックマウントサーバーは奥行きが長く、電源コードやLANケーブルの余丁を考えると、設置スペースの奥行きに100cm~120cmほど欲しいところです。
一般的な家庭にあるメタルラックには入りきらないくらいの大きさのため、どこに置くか考えておきましょう。
結構うるさい、暑い
ラックマウントサーバーを複数台24時間フル稼働させていますが、ラックマウント型サーバーは小さいファンを高回転で回るため結構うるさいです。
また、排熱も通常のデスクトップPCよりすごいので、数台稼働すると10畳程度の部屋ではすぐに暑くなります。
暑さはエアコンでどうとでもなるのですが、音はどうしようもできないので、ご家族がいる方は理解いただけるよう説得しましょう。
チュートリアル
ちょうど最近、中古サーバーを購入しました。その時の、私の購入方法をチュートリアルとしてご紹介します。
購入対象
項目 | 決めたこと |
シリーズ | ProLiant DL360 世代は指定なし。 |
OS | vSphere ESXi7 |
CPU | Xeon 周波数はいくつでも。コア10以上。 |
メモリ | 64GB以上。 |
HDD・RAID | RAID1。300GB以上。 |
ネットワーク | 1Gbps×4ポート以上。 |
電源 | 2個ついていること。 |
vSphere ESXiの勉強をするために上記のような構成を中古サーバーを購入したかった例です。勉強用だったため、最新バージョンのvSphere ESXi7が導入できるサーバーを探していました。
調べる
vSphere ESXi7がどの機種だと問題ないのか調べます。
VMware社さんでは、VMware Compatibility Guideというどのサーバーなら動くかを調べるサイトがあるのでここで調べました。
調べたところ、Gen10、Gen9世代にインストールできることがわかりました。Gen8はサポート対象外のようです。
Gen9はまだ少々高いので、サポート外ではあるもののGen8でも動かないかなぁと探すと海外の事例で、Gen8世代でもvSphere ESXi7が動きそうなことがわかりました。
https://www.handigeknakker.nl/?x=entry:entry210218-223349
トラブルがあっても解決できるだろうという謎の自信があるので、ProLiant DL360 Gen9もしくはGen8で探すことにしました。
検索する
ヤフオクで検索します。ヤフオクでは、「ブランド名+ライン+シリーズ」もしくはこれにベンダー名で検索するのが一番効率が良い気がします。ヤフオク!のタイトルは出品者が決めているため、あまりに詳しい(正確な)製品を入力してしまうと検索対象から外れてしまいます。
まずGen9を探しました。お目当ての構成では、65000円+運送費でした。当時もパーツの構成により5万円~10万円くらいの幅で色々ありました。
次にGen8を探しました。お目当ての構成では、約3万円+運送費でした。当時もパーツの構成により2万円~6万円くらいの幅で色々ありました。
買う
事前に調べて、Gen8にもESXi7がインストールできそうなのがわかっていたので、Gen8の3万円のほうを購入しました。中古サーバーは、即決価格で設定されていることが多く、すぐに支払いまで完了できます。
届くスピードは出品者さん次第ですが、事業として行っている方が多く迅速に対応してくれます。10台以上購入しておりますが、大体1週間以内、遅くとも2週間以内で届きます。
届く・遊ぶ
これは実際に届いた時の画像です。一番大きい箱が落札した中古サーバーです。小さい箱は同時期に合わせて買ったパーツやスイッチ類です。
この箱の中にサーバーを中心にしてクッション材が敷き詰められています。
あとは、開梱して盛大に遊ぶだけです。
さいごに
私が初めてサーバーを購入したのは、新人の時にサーバーが何かわからず勉強のためでした。当時は、サーバーが何なのかもわからず、ベンダーや機種の違いもわかっておらず、どこで売っているかも知らない中で悪戦苦闘の末、ヤフオク!に辿り着きました。
現在でも、開発や検証のためのインフラ基盤は必要になるため、買い替えたり買い足したりでヤフオク!にはお世話になっています。
最近はクラウドが大人気で、自宅も機械を所持するエンジニアも減っているようですが、ご興味のある方の一助になると幸いです。
記事の内容は多少知識がある方向けに記載しています。初学者の方などで、わからない部分などあれば、私のツイッター(@itengr_matome)のほうで話しかけてください。
こんにちは。
初学者です。とても勉強になったので、思わずコメントさせていただきました。
NW系の案件のみしか経験なく、資格手当でサーバーを購入しようと思っていた矢先だったので参考にさせていただきます。
引き続き更新を楽しみにしております。
お体ご自愛下さいませ。
ありがとうございます。